長々としたブログ

主にミネルヴァ書房の本が好きでよく読んでいます

コリアー 『最低辺の10億人』 5 貧困の罠との戦い方

続きです http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/13/224012 最底辺の10億人 作者: ポール・コリアー,中谷和男 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2008/06/26 メディア: 単行本 購入: 12人 クリック: 114回 この商品を含むブログ (54件) を見る 第5…

コリアー 『最低辺の10億人』 5 軍事介入、法、貿易

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/11/223808 の続きです。 窮乏する最低辺の国々を救うための手段は何があるのでしょうか。 そして我々には何ができるでしょうか。 最底辺の10億人 作者: ポール・コリアー,中谷和男 出版社/メーカー: 日経BP社…

コリアー 『最低辺の10億人』 4 どのような援助が求められるのか

続きです。 http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/10/222739 最底辺の10億人 作者: ポール・コリアー,中谷和男 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2008/06/26 メディア: 単行本 購入: 12人 クリック: 114回 この商品を含むブログ (54件) を見る …

コリアー 『最低辺の10億人』 3 集積する経済とガバナンス

続きです。 http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/09/214906 最底辺の10億人 作者: ポール・コリアー,中谷和男 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2008/06/26 メディア: 単行本 購入: 12人 クリック: 114回 この商品を含むブログ (54件) を見る …

コリアー 『最低辺の10億人』 2 国家に襲いかかる罠とは

続きです。 http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/07/220546 コリアーは世銀での経験から、スティグリッツやサックスらの薫陶も受け、最貧国の成長のプロセスを阻害する4つの罠を喝破します。下がその4つの罠です。 最底辺の10億人 作者: ポール・…

 コリアー 『最低辺の10億人』 1 国家はなぜ成長できないのか

最近ではアセモグルの「国家はなぜ衰退するのか」の出版もあり、成功した国家と失敗した国家が、どのあたりに原因を求めるのかという議論もありました。 アセモグルでは主に先進国と発展途上国に視点を当てていましたが、本書はボトムビリオンと言われる最下…

飛鳥と古代国家 4 天武・持統の時代

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/04/204125 の続きです。 飛鳥と古代国家 (日本古代の歴史) 作者: 篠川賢 出版社/メーカー: 吉川弘文館 発売日: 2013/08/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 白村江で大敗した倭国ですが…

飛鳥と古代国家 3  皇極の時代と白村江の戦い

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/02/222702 の続きです。 飛鳥と古代国家 (日本古代の歴史) 作者: 篠川賢 出版社/メーカー: 吉川弘文館 発売日: 2013/08/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 四 「大化改新」とその前後 …

飛鳥時代と古代国家 2 推古そして厩戸

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/03/01/220820 の続きです。 飛鳥と古代国家 (日本古代の歴史) 作者: 篠川賢 出版社/メーカー: 吉川弘文館 発売日: 2013/08/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 二 六世紀の王権と蘇我氏の台…

飛鳥時代と古代の日本、そして半島情勢

古代の日本の歴史はいまだ数多くの論争が続く時代です。記紀や中国・朝鮮の史書に多くの記録を残す飛鳥時代もまだその例外ではありません。 研究者によりその色彩が大きく変わりうる往時の日本の姿ですが、2013年に出版された本書は、丁寧に数多くの論争に配…

 「DNAでたどる日本人10万年の旅」を読んで 下

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/27/211240 の続きです。 DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか? 作者: 崎谷満 出版社/メーカー: 昭和堂 発売日: 2008/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 29回 この…

 「DNAでたどる日本人10万年の旅」を読んで 上

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/01/31/004439 こちらでは主にミトコンドリアDNAのハプログループから人類の移動を見てみようという試みでしたが、こちらの本は主に、Y染色体ハプログループから推定してみようという興味深い試みです。 比べる…

セデック・バレ 第二霧社事件とその後  

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/20/225134 の続きです。 セデック・バレ 第一部:太陽旗/第二部:虹の橋【豪華版 3枚組】[Blu-ray] 出版社/メーカー: マクザム 発売日: 2013/10/31 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (6件) を見る 霧社…

セデック・バレ 霧社事件を読み解く 1

セデック・バレ 第一部:太陽旗/第二部:虹の橋【豪華版 3枚組】[Blu-ray] 出版社/メーカー: マクザム 発売日: 2013/10/31 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (6件) を見る セデック・バレを見て霧社事件に興味を持ち、図書館に行って関連資料を探した所…

子どもの貧困 2  解決策とこれから

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/12/224919 の続きです。 子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書) 作者: 阿部彩 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/01/22 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 第5章 現金給付を考え…

「子どもの貧困」と普遍的制度 (1)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakatadaigo/20140131-00032162/ http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakatadaigo/20140131-00032163/ で中田先生が言及されていた、阿部先生の新刊です。 子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書) 作者: 阿部彩 出版社/メ…

エズラ・ヴォーゲル「鄧小平」(下) 5 天安門事件と南巡講和、そして中国の未来

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/09/222358 の続きです。 現代中国の父 トウ小平(下) 作者: エズラ・F・ヴォーゲル,益尾知佐子,杉本孝 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2013/09/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件)…

エズラ・ヴォーゲル「鄧小平」(上・下) 4 現代中国の父

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/07/220708 の続きです。 現代中国の父 トウ小平(上) 作者: エズラ・F・ヴォーゲル,益尾知佐子,杉本孝 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2013/09/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件)…

エズラ・ヴォーゲル「鄧小平」(上) 3 日中平和友好条約と訪日

http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/02/06/215421 の続きです。 毛沢東が死去し、名目的には華国鋒の下で実質的な中国のナンバーワンの地位に登りつめます。四人組の排除にも成功したものの、自由化・成長を目指す胡耀邦らリベラル派や、毛沢東思想…

エズラ・ヴォーゲル「鄧小平」(上) 2 毛沢東の死、四人組の失脚まで

続きです http://naganaga5.hatenablog.com/entry/2014/01/27/231015 一度は失脚したものの、華々しい復活を果たした鄧ですが、晩年をむかえてより疑り深くなった毛沢東や、大きく思想を異にする四人組などの間に軋轢を生んでいきます。 現代中国の父 トウ小…

ジョセフ・ヒースが経済学について考えてみた

未読ですが、「ルールに従う」も話題になったジョセフ・ヒースの前著です。経済学と銘打たれていますが、彼個人は経済学の正式な教育さえ受けていないと書いています。しかし通読すれば分かるとおり、明らかに経済学に関する深い理解と違和感をもとに本書を…

0.01%対99.99% ジョブズやバフェットを私達はどう捉えるべきなのか

スティグリッツとアセモグル激賞と書かれた帯に惹かれ手に取りました。まだオキュパイ・ウォールストリートも記憶に新しいですが、糾弾されていた1%(世帯所得100万ドルクラス)を扱うというよりは、そのなかの飛びぬけたゲイツやスリム、バフェットから0.01…

「日本人になった祖先たち」のDNAで読み解く日本の古代史

先日も卑弥呼の時代と思われる鏡が魔鏡であったというニュースがありましたが、あの鏡も中国では発掘されておらず、また未だ邪馬台国の場所さえ確定されてないという停滞した日本の考古学ですが、科学的なアプローチから日本の歴史を知ろうという試みも進ん…

エズラ・ヴォーゲル「鄧小平」(上) 1

中国の経済成長と、最近の日中関係の悪化を見るにつけ、まずその名を語らねばならないのは鄧小平です。私の年齢では「ジャパンアズナンバーワン」も読んだことはなく、エズラ・ヴォーゲル氏の著作を読むのはこれが始めてなのですが、非常に内容の濃い調査と…

グローバル化と日本型企業システムの変容(1985~2008)

バブル崩壊、そしてリーマンショックといった企業を揺るがしかねない環境のなかで、日本企業はどう生き残りのための進化をしていったか、または何が変わらなかったのかを詳しく見ていきます。講座・日本経営史シリーズ6巻目で最終巻です。 グローバル化と日…

戦後の高度経済成長の始まりと終わり(1955~1985)

戦後の経済成長は2つの時期に分けられる。前期は2桁成長の続いた55年から70年あたりまで、後期はオイルショック、ニクソンショックなどを経た85年までの一桁成長の大量消費が一般化した時代でした。 「経済大国」への軌跡―1955~1985 (講座・日本経営史) 作…

戦後の日本企業経営1(1937-1955)

制度転換期の企業と市場―1937‐1955 (講座・日本経営史) 作者: 柴孝夫,岡崎哲二 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2011/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 表題は37年からですが、ほとんど戦後について書かれたものと言っていいでしょ…

大戦間の日本企業の発展(1914~1937)

第1次世界大戦時の好況、そして、関東大震災、大恐慌を経ての経営史を見ていきたいとおもいます。 組織と戦略の時代―1914~1937 (講座・日本経営史) 作者: 佐々木聡,中林真幸 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2010/09 メディア: 単行本 この商品を含…

日本の産業革命について(1882から1914まで)

日本の産業革命は、1880年代後半の企業勃興から始まるといわれています。鉄道網が急速に発展し、世界で見ても例が少ない1000人規模の製糸工場が多数出現し、財閥系の銅と石炭を発掘する鉱山が活況を呈するようになりました。 第1章 ガーシェンクロン仮説、つ…

江戸時代が近代の始まりなのか、それとも明治維新が始まりなのか

経営史・江戸の経験―1600~1882 (講座・日本経営史) 作者: 宮本又郎,粕谷誠 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2009/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 幕末の開港や明治維新による海外からの技術や制度導入が日本に近代をもたら…